再発・再犯防止のためのカウンセリング回数券。
「もう治りましたから…」という勝手な自己判断で通わなくなったクライアントが、「またやってしまいました。治して下さい。」と、うなだれて再来室するのを見ると、何とも腹立たしい気持ちに似た感情を抱きます。
「だから言ったでしょう。継続的に通わなくてはダメですよって…」と言ってやりたくなります。そんなこと、言いませんが…。
「痴漢や盗撮・のぞきする気持ちが全然なくなったから、もう自分は治った」というのは、かなり怪しいです。問題は、「盗撮したい」等の性衝動が、また強く沸き起こってきた時に、それを止められるかどうか? です。
私のカウンセリングルームにも、来談意欲が薄いクライアントのために、カウンセリングの回数券を導入しようかと真剣に考える今日この頃です。
盗撮や痴漢やのぞきの性嗜癖障害障害については、カウンセリングルームで何をするかは、さほど重要ではありません。重要なのは、通い続けることです。
「来月の◯日は、カウンセリングの来室日だ」と予定を入れておくことが、予約日を覚え続けていることが、カウンセラーという自分に寄り添う良き理解者の存在を頭の片隅に置いておくことが、性嗜癖障害をやらない大きな抑止力になるのです。
100%治りたくなくても大丈夫です。
最近は、
学校や病院や法律相談事務所から紹介されて、
私のカウンセリングルームを訪れる人が増えてきました。
性嗜癖障害(痴漢・盗撮・露出・のぞき・下着泥棒)のクライアントです。
彼ら10人が、10人とも、
自分の性癖を治したくて、いらっしゃるわけではありません。
中には、裁判を有利に運ばせるために、「カウンセリングルームに通っている」と
いう事実が欲しくて来室される方もいらっしゃいますし、盗撮することに未練があ
って、「やり続けたい」という願望を持ちながら来室される方もいます。
来室される方の多くは、
治りたい気持ち○割、治りたくない気持ち○割、
といったところではないでしょうか。
でも、大丈夫!
カウンセリングルームに通い続ければ、悪しき習慣は改まってきます。
けれど、ここで問題なのは、通い続けることが出来るかどうかです。
多くのクライアントは、数回通っただけで、
「もうしない、する気も起きない、もう治った」
「忙しい、時間と金の無駄」「カウンセリングルームに行ったって仕方がない」
等の理由で、来室されるのを自己判断でやめてしまいます。
それは、非常に残念なことで、私も何とかならないかと思っています。
このあたりは、ホント、法の力を借りたいくらいです。
性嗜癖障害は、自分だけの問題ではなく、被害者が発生するわけですから、
自分の癖にしっかり向き合い、きちんと治していただきたいと思う次第です。
性嗜癖障害で苦しまれる方の性格はいろいろです。
大変に真面目で几帳面な方から、ルーズでやんちゃな方までいろいろです。
私は、自分の癖に向き合い、障害を克服した人を心から尊敬しています。
「盗撮しないなんて、人として当たり前のことで、別に褒められたことじゃない」
と思う人は多いかと思うのですが、嗜癖・習慣を改善するのは簡単なことではなく、
カウンセリングルームを無事に卒業された方は、本当にりっぱです。
このブログをお読みの皆さんの多くは、性嗜癖障害ではないと思うのですが、
なんか変な癖、悪しき習慣は持っていませんか?